iPS細胞強い
治療用製品開発企業
1. Heartseed(ハートシード)[219A.T]
最新株価: 3,780円(2025年9月16日)
2,523円(2025年5月2日終値、前日比 -4.07%)
企業概要:
- 慶應義塾大学医学部循環器内科福田恵一教授の技術をベースに2015年に設立された心臓再生医療ベンチャー
- 他家iPS細胞から心室筋を高純度で作製し、心筋球と呼ばれる微小組織にして移植する独自技術を保有
- 重症心不全患者向けの治療薬「HS-001」(開胸投与)および「HS-005」(カテーテル投与)を開発中
- 2024年7月に東京証券取引所グロース市場へ新規上場
- 平均年収: 約874万円、従業員数: 39人
最近の動向:
- ノボ ノルディスク社と他家iPS細胞由来心筋球の共同開発契約を締結
- 単一細胞と比較して、心筋球にすることで生着率を高める技術を開発
- HLA型ホモiPS細胞を用いることで、拒絶反応のリスクを低減
2. クオリプス[4894.T]
最新株価: 7,500円(2025年9月16日)
6,940円(2025年5月2日終値)
企業概要:
- 大阪大学発のベンチャー企業で、2017年に設立
- ヒトiPS細胞由来心筋細胞シートの研究・開発を行う企業
- 重症心不全の患者を対象として、心機能の改善や心不全状態からの回復を目指す製品を開発
- 厚さ0.1ミリの「心筋細胞シート」を特徴とする再生医療等製品を開発
- 2025年4月8日、iPS細胞由来の再生医療等製品としては世界初となる製造販売承認を申請
最近の動向:
- 2025年4月に医薬品医療機器総合機構(PMDA)に製造販売承認を申請
- 申請後の翌日、株価はストップ高を記録
- iPS細胞から心臓の筋肉の細胞を作り、シート状に加工する独自技術
3. 住友ファーマ[4506.T]
最新株価: 1,694円(2025年9月16日)
941円(2025年5月2日終値、前日比 +5.26%)
企業概要:
- 製薬大手でiPS細胞由来の再生医療に注力
- 京都大学iPS細胞研究所と共同でパーキンソン病治療薬を開発
- iPS細胞から神経細胞(ドパミン神経前駆細胞)を作り出し、患者の脳に移植する治療法を開発
- 大阪府吹田市の子会社工場でiPS細胞を製造、高純度細胞を効率的に生産
- 米国含め国際的な治験を展開中
最近の動向:
- 2025年4月17日、京都大学の研究グループがiPS細胞由来神経細胞の治験で安全性と有効性を確認したと英科学誌ネイチャーで報告
- 7人のパーキンソン病患者に対する治験で症状改善を確認
- 世界初のiPS細胞由来再生医療製品として実用化を目指す
- アメリカへの空輸作戦も開始し、24時間以内に生きたまま細胞を輸送する技術を確立
- 網膜色素変性治療製品の開発も並行して進行中
4. ヘリオス[4593.T]
最新株価:584円(2025年9月16日)
323円(2025年5月2日終値、前日比 0.00%)
企業概要:
- iPSC再生医薬品の開発を中核事業とする
- iPS細胞と遺伝子編集技術を組み合わせた独自のeNK®細胞(エンハンスト・ナチュラルキラー細胞)を開発
- 固形がんを対象としたがん免疫療法の研究を進めている
- 加齢黄斑変性治療薬の開発も実施
- 次世代iPS細胞(Universal Donor Cell)をプラットフォームとした開発パイプラインを拡充中
最近の動向:
- iPS細胞由来NK細胞の大量培養システムを導入
- 遺伝子編集技術を用いて抗がん活性を強化したNK細胞の開発を進行中
- がん免疫療法を目指したiPS細胞由来細胞製剤の開発に注力
5. キッズウェル・バイオ[4584.T]
最新株価: 126円(2025年5月2日終値、前日比 0.00%)
企業概要:
- バイオシミラー(バイオ後続品)を中心とした医薬品開発企業
- iPS細胞関連技術を応用した再生医療製品の開発も実施
- 「富士フイルム」との戦略的提携を行い、再生医療等製品の研究開発を実施
- 独自のバイオ創薬技術と再生医療技術の融合を目指す
最近の動向:
- 2025年4月に大きな株価変動があり、15日には前日比+17.24%の上昇を記録
- 細胞培養技術を活かした事業拡大を推進中
- バイオシミラー事業で培った技術を再生医療分野へ応用
細胞加工・製造支援企業
6. J-TEC(ジャパン・ティッシュエンジニアリング)[7774.T]
最新株価:505円(2025年9月16日)
661円(2025年5月2日終値、前日比 +5.76%)
企業概要:
- 再生医療等製品の研究開発・製造・販売を行う企業
- 自家培養表皮「ジェイス」等の製品を持つ
- iPS細胞由来網膜色素上皮細胞移植による加齢黄斑変性治療法の開発も実施
- 理化学研究所と共同でヒトiPS細胞由来網膜色素上皮細胞の研究を行っている
- in vitroの実験モデル「ラボサイト」としてiPS細胞由来腸管オルガノイドの開発も進行
最近の動向:
- 2025年3月、ヒトiPS細胞由来腸管オルガノイドを使った腸管上皮のin vitro実験モデルを開発
- 動物実験の代替として提供を目指す研究を進行中
- 4月下旬から5月にかけて株価が大きく上昇(4月22日に11.18%上昇)
7. メディネット[2370.T]
最新株価: 31円(2025年5月2日終値、前日比 0.00%)
企業概要:
- 細胞医療支援事業を主力とする企業
- 免疫細胞治療に用いる細胞の加工を受託
- 特定細胞加工物製造許可を取得しており、iPS細胞、ES細胞などの多様な細胞加工の製造開発を受託
- 歯髄幹細胞、間葉系幹細胞、造血幹細胞、iPS細胞などの細胞加工技術に関して技術移転後に製造を受託
- トータルソリューションを提供する事業モデル
最近の動向:
- 特定細胞加工物製造受託事業を強化
- 東京大学とのiPS細胞を用いた免疫細胞治療の共同開発基本合意契約は終了
- 4月22日に株価が一時的に上昇(前日比+3.13%)
8. リプロセル[4978.T]
最新株価: 210円(2025年9月16日)
142円(2025年5月2日終値、前日比 -2.74%)
企業概要:
- iPS細胞および幹細胞関連製品の開発・製造・販売
- 個人向けパーソナルiPS細胞サービスを提供
- 創薬支援や再生医療分野に注力
- iPS細胞作製技術を活用した疾患モデル細胞の提供
- 健常者・患者由来のiPS細胞を用いたバイオバンク事業も展開
サービス料金:
- 個人向けiPS細胞保管サービス: 月額7,500円(税込8,250円)または10年一括前払い720,000円(税込792,000円)
最近の動向:
- 研究用途と医療用途の両面でiPS細胞ビジネスを拡大
- 個人向けiPS細胞バンキングサービスの普及に注力
- 創薬支援ビジネスでの収益拡大を目指す
医薬品・研究ツール開発企業
9. ケイファーマ[4896.T]
最新株価:665円(2025年9月16日)
756円(2025年5月2日終値、前日比 -1.82%)
企業概要:
- 慶應義塾大学医学部発のバイオベンチャー
- iPS細胞を活用した創薬(iPS創薬)と再生医療を主事業
- 脳・神経領域のアンメットメディカルニーズが高い疾患を対象に研究開発
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療薬開発に注力
- 疾患特異的iPS細胞×既存薬ライブラリーのスクリーニングによる創薬手法を特徴とする
最近の動向:
- ALS治療薬を2020年代後半に実用化を目指す
- iPS細胞由来の脊髄損傷治療の安全性確認も進行中
- 慶応大学との連携で脊髄損傷治療の治験も計画中
- 4月11日に株価が急上昇(+30.1%)を記録
10. アイロムグループ[2372.T]
最新株価: 2025年5月12日に東京証券取引所プライム市場で上場廃止
2,788円(2025年5月2日終値、前日比 -0.04%)
企業概要:
- 再生医療や遺伝子創薬などの先端医療分野に取り組む
- 臨床用のiPS細胞作製ツール「CytoTune®-iPS」の販売
- 個人向け医療用iPS細胞作製・保管サービス「iCELL BANK」を提供
- センダイウイルスベクターの技術を用いたiPS細胞を効率的に作製するキットを開発
- 世界初のiPS細胞由来化粧品原料の開発にも成功
最近の動向:
- STEMCELL Technologies社とiPS細胞作製技術のライセンス契約を締結
- ヤンセン社とiPS細胞作製技術を用いた製品開発と販売に関するライセンス契約を締結
- 京都大学iPS細胞研究所(CiRA)とのセンダイウイルスベクター技術に関する共同研究も実施
11. ロート製薬[4527.T]
最新株価: 2,418.5円(2025年5月2日終値、前日比 +1.34%)
企業概要:
- 目薬などで知られる大手製薬会社だが、再生医療分野にも進出
- iPS細胞から角膜上皮細胞への分化誘導と純化精製技術を確立
- 大阪大学との共同研究を通じてiPS細胞から様々な眼の細胞を選択的に誘導することに成功
- 間葉系幹細胞のみならず、iPS細胞やヒトES細胞、体性幹細胞などを用いた基礎研究に取り組む
- 眼の領域での再生医療に特化した研究開発を進める
最近の動向:
- iPS細胞角膜上皮細胞の安価で簡便な純化法を確立
- 眼科疾患への応用研究を加速
- 大阪・関西万博で再生医療展示も実施
- 4月9日に株価が+6.68%上昇するなど、再生医療への期待から変動
その他のIPS細胞関連企業
12. セルシード[7776.T]
最新株価: 468円(2025年9月16日)
551円(2025年5月2日終値、前日比 +0.55%)
企業概要:
- 細胞シート工学に基づく再生医療製品の研究開発
- 温度応答性培養皿を用いた細胞シート技術を持つ
- 細胞シートを用いた心筋再生や角膜再生の研究
- 再生医療等製品の承認取得に向けた活動を実施
最近の動向:
- iPS細胞を用いた細胞シート技術の開発を進める
- 4月22日に株価が+11.18%上昇するなど、変動が大きい
13. コスモ・バイオ[3386]
- バイオ研究用試薬の製造販売
- iPS細胞研究用の試薬・機器を提供
- 研究用培養機器なども販売
14. 富士フイルムホールディングス[4901]
- バイオ医薬品製造と再生医療事業に注力
- iPS細胞の培養装置や培地の開発
- Japan Tissue Engineering (J-TEC)を子会社に持つ
15. タカラバイオ[4974]
- バイオ研究支援事業が主力
- iPS細胞作製用ベクターの開発・販売
- 再生医療等製品の開発支援サービスを提供
16. JCRファーマ[4552]
- バイオ医薬品と再生医療等製品を開発
- 間葉系幹細胞製剤の研究開発と製造販売
- iPS細胞関連技術の研究も実施
17. 新日本科学[2395]
- 前臨床試験受託と再生医療研究
- iPS細胞を用いた創薬支援サービス
- 再生医療用細胞の安全性評価も実施
業界動向と投資機会
最近の市場動向
2025年のIPS細胞関連市場は、大きな進展が見られています:
- パーキンソン病治療分野:住友ファーマと京都大学の共同研究がネイチャー誌に掲載され、iPS細胞由来神経細胞の有効性を示す結果が発表されました。これを受けて住友ファーマの株価が急上昇しています。
- 心臓疾患治療分野:クオリプスが世界初となるiPS細胞由来心筋細胞シートの製造販売承認を申請し、株価がストップ高を記録。同じく心筋再生に取り組むHeartseedも注目を集めています。
- がん治療分野:ヘリオスが開発するiPS細胞由来NK細胞を用いたがん免疫療法に期待が高まっています。
- ALS治療薬開発:ケイファーマが疾患特異的iPS細胞を用いた創薬アプローチで、2020年代後半の実用化を目指しています。
投資判断のポイント
- 臨床試験の進展状況:
- 住友ファーマのパーキンソン病治療
- クオリプスの心筋細胞シート
- Heartseedの心筋球移植
これらの臨床試験の結果や規制当局の判断が株価に大きな影響を与えます。
- 技術プラットフォームの差別化:
- アイロムグループのiPS細胞作製ツール
- ケイファーマの疾患特異的iPS細胞スクリーニング
- ヘリオスの遺伝子編集iPS細胞技術
独自技術を持つ企業は長期的に優位に立つ可能性があります。
- 提携関係とライセンス契約:
- 住友ファーマと京都大学
- Heartseedとノボ ノルディスク
- アイロムグループとSTEMCELL Technologies
大手製薬企業や研究機関との提携は、技術の実用化と収益化に重要です。
今後の展望
- 実用化間近の製品:
- 住友ファーマのパーキンソン病治療薬
- クオリプスの心筋細胞シート
- ロート製薬の角膜治療
これらの製品は2025-2026年に承認される可能性があり、業界の大きなマイルストーンとなります。
- 市場成長要因:
- 高齢化社会における再生医療のニーズ増大
- 製造技術の向上による製造コスト低減
- 規制環境の整備による承認プロセスの明確化
- リスク要因:
- 長期的な安全性への懸念
- 高額な治療費と保険適用の問題
- 競合技術(遺伝子治療など)の台頭
日本は山中伸弥教授のiPS細胞発明以来、この分野で世界をリードしており、多くの日本企業が実用化を目指して研究開発を進めています。特に住友ファーマのパーキンソン病治療とクオリプスの心筋細胞シートは、世界初のiPS細胞由来医薬品・医療機器として実用化される可能性が高く、これらの承認は業界全体に大きな影響を与えると予想されます。


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